2006年11月20日

愛媛大学で「四国遍路と世界の巡礼」公開シンポジウム。現代の巡礼テーマに開かれる。

「四国遍路と世界の巡礼」の研究成果を発表している愛媛大学の公開シンポジウムが11月18日・19日に開催されました。第4回目の今年度は「現代の巡礼」をテーマに初日は研究者3人の発表がありました。最初に河野昌広(早稲田大学道空間研究所)氏から、現代の四国遍路を道空間の視点から捉えた内容で宗教概念の拡張、変容の報告がありました。伝統的な信仰者でもなく、無宗教でもない、中間層が増大。宗教からスピリチュアリティ(霊性、精神性)への移行が見られる。また、遍路の移動手段のヒエラルキーとして徒歩、自転車、バイク、マイカー、団体バスがある。歩き遍路は93年からの10年間で5.8倍増えている。歩きで難儀なのは狭いトンネルと舗装道路。歩くための遍路道が失われているなどといったご自身の遍路体験を交えてのお話でした。四国遍路と地域おこしの事例として、愛媛県愛南町の「トレッキング・ザ・空海」の取り組みも、紹介されました。
次に、竹川郁雄(愛媛大学法文学部教授)氏からは、50番繁多寺で今春に行ったお遍路さんから(461名)の聞き取り調査の結果が報告されました。この中で遍路の目的は<複数回答>多い順で、先祖・死者の供養(39.3%)、健康のため(31.0%)、精神修養(22.1%)、祈願(18.0%)、信仰(14.3%)、自分の生き方と向かい合うため(14.1%)、その他(11.5%)、チャレンジ(9.1%)、観光(8.7%)、人との交流(7.6%)、病気の治療(5.6%)、悩みや苦しみから自分を解き放ちたいため(3.0%)などと多岐にわたる実態を報告。利用する交通手段は、自家用車(47%)、団体バス(21%)、徒歩(13%)、マイクロバス(9%)などや、通し遍路は32.8%で区切り遍路が67.2%。年代は70歳以上が31.0%で60歳代が最も多く46.4%、50歳代で11.1%と若くなるほど少なくなっているなどの興味あるアンケート結果でした。
また、野崎賢也(愛媛大学法文学部助教授)氏は歩き遍路さんへのアンケートに絞って調査を行い、全員がお接待を受けた経験があり、地元の人々とのふれ合い、人との出会いが良かったと記述したものが多く、現代のツーリズムとして位置づけると「人と自然に同時に出会う旅」で、歩く旅ができるのは四国が唯一ではないか。それと最近のメディアの取り上げ方などから、歩き遍路をアウトドアとして捉えているなどの報告でした。歩いていて気持ちよく感じられたのは「土の道」「海岸線」「山道」などで、舗装道路の堅さは大多数の人が気になり、自動車を危険と感じ、狭いトンネルを避けたいなどと、歩く道についても歩き遍路さんたちの声を集約されていました。
このシンポジウムの詳しい資料は、事務局にありますのでご希望の方はご連絡ください。コピーで良ければお送りします。
(ただし、当会の会員登録をされている方に限らせていただきます)
posted by 88henro at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 会員へのご案内
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